マザーグース ― この一冊 ― |
鷲津 名都江著 「マザーグースを訪ねて」 筑摩書房 1996
「マザーグースの本の中で、何がいいですか?」 とお尋ねですか?
この本を薦めたいな。
御覧なさい。この写真の素晴らしいこと。著者が留学中に撮った4000枚の中から選んだそうですよ。マザーグースゆかりの地を実際に足を運び、土地の人とも言葉を交わしながら、とった写真ですよ。そのことが、文中に出ていて、旅行記を読むような楽しさがあります。
マザーグース(ナーサリーライム)は英国伝承童謡と訳されますが、今も子供たちの中で歌われているんですよ。日本のわらべ歌よりももっと普通に。この著者は、マザーグースが子供の生活にどんな形で唄われているかを、子供の中に入って、実地の調べておられるのですから、生きたマザーグースを手掴みにしてこられた方です。日本では珍しい人ではないでしょうか?何しろ4歳の時から歌手をしておられたのですから、音楽のプロ中のプロですね。ロンドン大学での修士論文は、マザーグースのリズムについてですから、私はこの方の仰ることを信じます。マザーグースはリズムですから、原文がないと詰まりません。この本は、採り上げたマザーグースの原文と訳がきっちりと出ていて、その心意気が嬉しいです。
マザーグースは、また、土地の行事、習慣や歴史にも深いかかわりをもっていて、英国の土の香りするから面白いんです。そのことにも写真と文章によく表されています。
それにしても、何と幸せな留学生活を過ごされたのでしょう。正直、羨ましい限りです。
この本は小ぶりながら、そんなマザーグース(ナーサリーライム)の魅力を余さず伝えているという意味で、お勧めするとしたら、まず、この一冊ですね。さあ、手にとって御覧なさい。
あなたは、きっと、マザーグースのファンなると思いますよ。
忘れる所でした。この本の姉妹版があります。さっき触れた本です。こちらから入られるのもいいかもしれません。
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