マザー・グースのこんなところが面白い(1)       本棚へ

マザー・グースは「不思議で美しくて、おかしくて、ばかばかしくて、おもしろくて、なさけなくなて、おこりたくて、わらいたくて、うたいたくなる。」という北原白秋の言葉通りである。


マザー・グースの中で、1つだけ選べといわれれば、多くの人はHey diddle, diddleをとるのではないでしょうか。なぜ面白いのか分からない面白さ ー ノンセンス

冒頭の一行 Hey diddle diddleは日本語に訳す場合の難問の一つ。

 
へいこら、ひょっこら、へっこらしょ   −北原白秋訳

 
えっさか ほいさ                            ー 谷川俊太郎訳

   
ぎこぎこ ごりん              ー 和田 誠

と様々ですが、あとに続く訳文を読むとそれなりに分ります。
百人百様で、例のTo be, or not to beの訳文のコレンクション程、値打ちがあるかどうか分からりませんが、お閑な方は調べてください。
いずれにしろ、原音とは大きく異なりますので、結局、なま(原文)が一番ということになります
Opie The Oxford Nursery Rhyme Bookより
                               




























   

○MotherGoose,NurseryRhymesの本が次々と出される理由は画家たちの創造力を刺激するためでもあるが、このHey diddle diddleをどう描いているか見るのも面白い。

○日本でのマザーグースに関する好著、鷲津名都江著マザーグースをくちずさんで  英国童謡散歩」求竜堂1995ではこの唄の挿絵を原色で11点載せている。

○同じく、マーザーグースの歴史的な移り変わりを精しく調べた好著、夏目康子著「マザーグースと絵本の世界岩崎美術社1999にもこの唄の挿絵を原色で11点載せてあり、10頁にわたって興味深い説明があります。
共に豪華で挿絵を見るだけでも楽しい本です。

○鈴木直子さんのHP「フィドル猫(キャット)の部屋」には、この唄について、とても詳細な資料が集められています。探してみてください。

Hey diddle diddleについては公爵夫人の教訓もご覧ください。谷川俊太郎訳を掲げています。


illustrated by Diane Tippell 

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