アリス、アリスに会う　　１０９ー１１５

１０９　アリス：図１に関連づけたご説明で、少しわかりよくなりました。

＜不如意をもたらすネガティブな信念＞について、それがどんなものか、どうして出来るのかをお聞かせください。

１１０　猫　：　はじめに、本来完全な存在であったはずの私たちが、どのようにしてこのネガティブな信念を作り上げてきたかをお話します。それがわかれば、ネガティブな信念を取り除くにはその逆をやればいいということがわかるからです。

本来の私たちは、対話８０にある図２のような状態であったと私は考えています。この図には二つの特徴があります。一つは卵形の個別意識の中が顕在意識 c だけになっていることです。これは、私たちが自分の意識のすべてを自覚できる状態にあったということを示しています。したがって、これがスクリーン x に投影されたとしても、わたしたちはそれがどのようにして作られた世界であるかを理解することが出来ます。このような状態では、不如意（意のままにならない）ということは、字義の上からあり得ないことになります。

第二の特徴は、卵形の一部が開いていて、卵形の外のピンク色につながり、卵形の内部もピンク色になっていることです。これは個別意識が「真実の我」という大きな意識とつながっており、その本質である愛のエネルギーが個別意識の中にも満ちあふれていたということを示しています。

このような状態でスクリーン x に作り出される世界は、完全な愛に満ちた天国のような世界であったはずです。けれども、私たちは、この愛エネルギーを少なくしていった世界を現出させようとしました。それは、演劇のようなものであると、私は考えています。ギリシャ悲劇やシェイクスピアの悲劇のように、極限状況の中で起こる生命の葛藤の姿を演じて見せようとしたのだと、私は考えています。

そのために私たちは、自分の心の中に潜在意識という障害物を作り出し、これで愛のエネルギーを遮断することにしました。そしてそれは「潜在意識」として顕在意識からコントロールできないものとしたために、それが投影されて起こるスクリーン上の出来事を理解できなくなり、ここに不如意が発生することになったのです。

では、潜在意識を作り出すために、私たちは何をしたのでしょうか。

潜在意識というのは、顕在意識の活動の結果生じた思考エネルギーの燃えカスのようなものが沈殿しているのだと、私は考えています。したがって、私たちがネガティブな信念を潜在意識に積み込むためには、顕在意識においてネガティブな思考をするように努力したはずです。しかもそれを潜在化するために、私たちは、そのような考えは持っていないというふりをする努力もしなければなりませんでした。

やがて、潜在意識がいくらか蓄積されてくると、次第に顕在意識がその影響を受けるようになり、ネガティブな思考をしやすくなってきます。そして、ついには、ネガティブに考えることしか出来ないほどになってしまったのが今の私たちの状況だと、私は考えています。

したがって、「不如意をなくす」ためには、このプロセスを逆にたどって、図２の状態に戻ればいいわけです。それについては、別に取り上げることにしましょう。何かご質問があればどうぞ。

１１１　アリス　：　物理学者が物質の本体を探るため原子、素粒子・・・へと遡っていったように、魂の本体を探る過程で、猫さんの図１，２といったモデルが出来ています。実はこのことに関しては「自分を探すアリス」でかなり議論を行ったのですが、すぐそちらに帰りそうです。質問と言うより、猫さんの潜在意識と呼んでおられるものと私の潜在意識と考えているものとにはかなり差があるようなのです。モデルが違うと言ってよいのかもしれません。それをここで出すのは、混乱を招きますので、猫の愛のｴﾈﾙｷﾞｰのお話に到達するまで、お話をお聞きする方が良いと思います。どうか先にお進めください。

１１２　猫　：　愛エネルギーの話に既に到達しているつもりなのですが、問題を整理して、少しずつ進みましょう。

　不如意とは文字通りには「意のままにならない」ことですね。私の考えでは、私達が体験する世界はすべて「自分の意識」ですから、その中に「意のままにならない」ものがあるというのは、自分の意識の中に自分が知らないものがあるということです。つまり潜在意識があるので意のままにならない現象が生じるということになります。

　あるチャネリング情報は「意識、潜在意識、超意識などとたくさんの意識があるように考えられているが、本当は意識は一つしかない」と言っています。これは、図２のような状態を意味していると、私は考えています。そして、この状態、つまり潜在意識がない状態になれば不如意というものは、定義の上から存在できない、ということになります。言い換えれば、不如意とは潜在意識と同義語だということになります。この点はよろしいでしょうか。

１１３　アリス：言葉の問題に過ぎないということになるのかも知れませんが、猫さんの「潜在意識」の用法がよく分りません。ちなみに対話８０の図２の卵形のところ

http://www.alice-it.com/alicecat2/alicecat2-76-81.htmは猫さんは何と呼ばれるのでしょうか？

１１４　猫　：　言葉の使い方が混乱しているとコミュニケーションが出来ませんね。私が潜在意識と呼ぶのは図１の sc の部分です。c が顕在意識です。図２の卵型の内部は全部 c という記号がつけられていますので、これは顕在意識です。潜在意識がなくなって、すべての部分が意識化しているという意味です。

　卵形の外側の部分は記号がついていませんが、私の用語では超意識あるいは上位意識ということになります。この意識も顕在意識から見れば意識されていない部分なので、これも含めて潜在意識と呼んだことがありますが、混乱を避けるため、今後はそういう使い方はしないようしましょう。図２ではこれも顕在化され、内部の c とつながっていると考えてください。

　実はいま英語の文を読んでいて、それには conscious, subconscious, superconsciousという使い方で出てくるので、１１２で「意識、潜在意識、超意識」と並べましたが、この conscious は私の用語で言えば顕在意識です。１１２は「顕在意識、潜在意識、超意識」と並べるべきでしたね。

　英語では concious は形容詞で「気づいている」という意味ですね。ですから conscious mind, subconscious mind, superconscious mind というような使い方をします。このほうがなんとなく、それぞれの意識（心？）の性格がわかりやすいように思うのは、気のせいでしょうか。

　以下にもう一度各用語の関係を表にしておきます。

表１

　これが現在の私たちの心の状態です。図２のように霊性を回復した状態では、表４のように超意識だけになります。

　最初と最後だけではわかりにくいので、この表によって霊性回復の中間過程を表現してみました。それが表２、表３です。

表２

表３

表４

　表２では、潜在意識の一部が顕在化されています。このように顕在化しないと、その内容をコントロールすることができません。霊性回復の過程では、潜在意識を顕在化して、エゴの心の内容を次第に消去していきます。

　そうすると今度は、表３のように、超意識の一部が顕在化されるようになってきます。エゴの潜在意識が超意識の顕在化をブロックしているので、それが少なくなってくると、超意識　　が顕在化しやすくなるからです。このような過程を経て、最終的には表４のように超意識だけの状態になります。

　意識の枠組みを表す言葉と、その内容を表す言葉が錯綜しているので、わかりにくいですね。もう少し、言葉を整理したほうがいいかなと考えています。何かいいお考えがあれば、教えてください。

１１５　アリス：ちょっと危惧していた通りになりました。対話が通じにくくなっているのが顕在化してきたように思います。＜あるチャネリング情報は「意識、潜在意識、超意識などとたくさんの意識があるように考えられているが、本当は意識は一つしかない」と言っています。＞には同感なのです。それをあえて言葉を使って分析しようとするところに問題があると思います。私の戸惑いと今の私の感覚を書かせていただきます。

�@    前の対話「自分を探すアリス」の最初の頃に戻った感じがします。私と猫さんとの間の齟齬は「意識」という言葉の使い方から発したように思います。

�A    猫さんは、今回の対話で十分定義されていない霊とエゴを縦軸に意識されている部分、されていない部分という表（マトリックス）を作られましたが、私には問題がさらに複雑になります。表１から表４への推移は比喩的に分らぬではありませんが・・・

�B    お前の考えはどうなのか聞かれれば、現時点で３段階で、猫さんの用語に対応させれば

　　　　　顕在意識（＝エゴ）
　　　　　潜在意識（＝霊）　　猫さんの卵の殻とscを含みます。顕在意識のネガティ　　　　　　　　　　　　　　　　　ブな思考だけととらえないことです。
　　　　　超意識（＝神）

となります。潜在意識という用語で猫さんと大きな開きが出ています。

＜卵形の外側の部分は記号がついていませんが、私の用語では超意識あるいは上位意識ということになります。この意識も顕在意識から見れば意識されていない部分なので、これも含めて潜在意識と呼んだことがありますが、混乱を避けるため、今後はそういう使い方はしないようしましょう。図２ではこれも顕在化され、内部の c とつながっていると考えてください。＞の部分ですね。

序に

　　愛のエネルギー＝神の意思

そのエネルギーは　　

エゴ≦霊≦神


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