『聊斎志異』目録 第13巻 趙本の例言中に「原本は凡そ十六巻であるが、始めは但だ其の尤も雅なるものを選みあつめ十二巻としたけれども、刊既に終わって再び其の余をみると、愛づべくして、舎(す)てることが能(で)きぬから、遂に之を続刊とした」とある。 十二巻までは、我が中編小説短篇小説位のものであるが、十三巻以後になると単章隻句に類するものが多く、読む者に竜頭蛇尾の感を起こさしめる憾みあるから、本書(角川文庫版)では十三巻以後の各条を十二巻以前の各条に挿入按配し、大珠小珠玉盤に落つる観を為さしめんと欲した」 柴田天馬訳角川文庫(8巻本)の第1巻例言より。 |
||||||
巻 | 題 | 角川 文庫 巻数 |
読了日 | 物語への手引きと評(私のコメント) | 分類 | 中国古典文学全集の見出し |
13 | 偸桃 | 8 | 2020/7/27 | 縁日の大道芸人による奇術。 【評】天馬の注が面白い。インドの例を挙げている。 |
人 | 桃を盗む少年 |
口技 | 3 | 2020/7/27 | 24,5の女で薬を商う女が来たが、自分では処方で出来ず、夜、神さんに相談して決めるという。村人はそっと盗み聞きをする。その描写。 【評】最後の結論がとぼけている。 |
人 | 八色の声 | |
王蘭 | 8 | 2020/7/28 | 王蘭は急病で死ぬ。閻魔さんが調べると、鬼卒が間違えたと分かった。閻魔は鬼を叱って、生き返らすよう命じるが、死体がもう腐っている。鬼は困って、王蘭に仙鬼となることを勧める。狐のもっている金丹を奪って飲ませる。・・友人の張、ならず者の才が登場 【評】書き出しの数行が秀逸。 |
鬼 | 心がけ | |
海公子 | 6 | 2020/7/28 | 東海の孤島に椿が年中咲いて島がある。好奇心の強気、酒食べ物を持って行き、花盛りの島で、一人酒盛りをする。そこへ、美人がやって来る。 【評】毒狐薬を携えていてよかったな! |
物 | 五色の花の咲く島 | |
丁前渓 | 4 | 2020/7/28 | 丁前渓は任侠の人、御史に追われて、逃げた先で親切なもてなしを受けた。そこは博打の楊の家、家人が貧しいなかもてなしたのである。 数年後、楊は生活に構って丁前渓を訪ねる。・・・・ 【評】任侠道の見本。 |
人 | ―飯の徳 | |
義鼠 | 4 | 2020/7/28 | ネズミの友情の話。 【評】4行。 |
物 | 義憤鼠 | |
尸変 しへん |
6 | 2020/8/14 | 死体に追いかけられる怖い話。4人の行商人が宿を満杯だったので、離れの、今は死体を安置されている、隣の部屋に休んだ時の話。 【評】典型的な怪談。実話であること示すかのように知事に文書化してもらっている。 |
人 | 追いかけてくるむくろ | |
噴水 | 3 | 2020/8/14 | 叔が役人をしている時に借りた家は荒れ果てていた。そこで起きた事件。母と侍女がやすんでいると庭で老婆が鶴のような格好で、水を吐きながら歩き回っている。窓から覗いていると水をかけられて、3人は倒れる。叔は老婆の消えたところを掘らせる。 【評】7行。これも怖い話。 |
物 | 水を噴く老婆 | |
山? | 3 | 2020/8/14 | お祖父さんから聞いた話。勉強のため滞在している寺で、鬼が出てきた話。 | 物 | 山しょう | |
キョ中怪 | 3 | 2020/8/14 | 蕎麦の収穫期に、畑に鬼が出たという話。 【評】うえの篇は気味が悪い。 |
蕎麦畑の鬼 | ||
王六郎 | 7 | 2020/8/14 | 漁夫の許は酒好きで、毎夜、酒を呑んでは漁をした。その際、「溺れた人も飲んでくれ」と酒を撒いた。ある日、少年がやってきて親しくなった。不漁の時も魚を追い上げてきてくれた。彼は、溺れた人間の鬼であることも明かした。ある日、別れる時が来た。 【評】気持ちの良い中編。主人公の人柄がよい。少年もやがて神になる。 |
鬼 | 情せんに厚い幽鬼 | |
蛇人 | 3 | 2020/8/15 | 蛇使いと3匹の蛇の話。大青と二青の2匹の蛇を使って生業している男が、大青が亡くなったあと、後釜が見つからないうちに、二青もいなくなって、絶望している所に、二青が小さな蛇(小青)を連れて帰ってくる。その 二青も大きくなり商売には使えなくなる。・・・ 【評】自然なこころ温まる動物譚は珍しい。 |
物 | 蛇使いと蛇 | |
雹神 はくしん |
5 | 2020/8/15 | ある役人が赴任地へ赴く途中、竜虎山の天師に挨拶に行こうとしたら、天師方が察して迎えを寄こす。そこには雹(ひょう)の神様が来ていて、これから、雹を降らしに行くところで、その先はその役人の故郷だと言うので驚く。何とかならないかと懇願する。上帝の命令は雹の数まで決まっているという。・・・ 【評】天師の解決策が素晴らしい。 |
神 | 雹の神 | |
僧? そうげつ |
8 | 2020/8/15 | 突然亡くなって閻魔の前に行くと、冥途の鬼が間違って引いてきたことが分かった。男は序に地獄を見せてくれと頼んで、見回ると、僧が逆さ吊りされているの出会う。何んと兄であった。 【評】鬼が間違ってあの世に連れていく話は時々ある。 |
人 | 罰をうけた破戒僧 | |
三生 | 2 | 2020/8/16 | 劉は自分の前世を覚えていた。身持ちの善くない行いをして、62歳で亡くなるのであるが、その後、馬ー犬ー蛇と転生する。 【評】最初、冥王の目通りするところが面白い。犬馬の苦しみもよくわかる。前世を覚えているのは下の「陝右某公」も同じ。あの世の様子が分かる。 |
人 | 前世の記憶 | |
耿十八 こう |
5 | 2020/8/16 | 耿は死ぬ間際に妻に、「家を守るも嫁に行くの自由だが、どちらにするか聴かせてくれ」というと、妻は「家には貯えがないから、嫁に行くしかない」というので男は酷く怒って死ぬ。冥途への途中、ある職人の手引きで脱走し、生き返る。 【評】冥途への行き方が珍しい。耿は妻と「不復共枕席」 |
鬼 | 冥土から逃げてきた男 | |
宅妖 | 1 | 2020/8/17 | 謝遷の反乱(1646)の後、官舎は盗賊の住みかとなってた。政府軍が入り掃蕩した後死体が累々としており昼までの幽霊が出るほどであった。王学使という人が沈静化した。それより前、門番が危篤になっていたが、意識を取り戻すと・・・・ 【評】施餓鬼の効果? |
物 | 幽霊邸 | |
四十千 | 5 | 2020/8/17 | 大司馬王の執事の話。夢にある人が」「お前に4万貸がある。返してくれ」というので訳を聞くが答えない。奥に行ってみると妻が男の子を産んでいた。執事は4万を1室に置き、子供の養育費に充てさせた。3,4年すると残金が7千になっていたので、下女を解雇すると、子供は死んでしまった。残金を使って弔った。 【評】子のない者と高僧との話が続く。 |
人 | 前世の応報 | |
九山王 | 7 | 2020/8/17 | 李の家は裕福だったが家は小さく裏の畑は荒れたままだった。ある日、そこを借りたいという老人がやってきた。百金を渡して帰った。翌日、、村人が家財、家人をやって来るのを見た。数日後老人が挨拶にきて、来てほしいという。立派な家屋、ご馳走、家人多さ、に驚く。しかし、これは狐だと判断して、焼き払うのである。狐の死骸が累々。狐の老人が現れて、仕返しをしてやると言って去る。しかし、何年も何事もなかった。 【評】狐の仕返しはスケールが大きい。 |
狐 | 根を培った男 | |
灘水狐 イ |
5 | 2020/8/17 | 李氏の別荘を借りたいという老人が出てきて、李は承知したが、その後現れないので訳を聞くと、吉日を選んだという。1年分家賃を払って、移転の時期を言って帰る。期日になっても見えないので出見に行くと、もう煮炊きの煙が上がっているし人声がする。老人と李が親しくなって、自分は狐であることを話す。李はそのことを人に言いふらしたので、多くの人が老人と親交を結びたがり、狐も快く受け入れる。唯、知事の申し出だけには拒絶する。 【評】その理由と断り方が面白い。 |
狐 | 驢馬を嫌う狐 | |
陝右某公 せん |
5 | 2020/7/22 | ある進士は前世のことを覚えていてそのことを話す。冥王の裁きによって、羊や犬や牛にされてしまうのだが、男は羊にされた。所が人を救ったことはあったことが分かって、羊の皮ははがされる。その痛いこと。未だに背中に皮の一部が残っている。 【評】6行。あの世の様子が少し分かる。 |
人 | 背中に生える羊の毛 | |
司札吏 | 7 | 2020/7/22 | 【評】ある字を忌むという風習がないので、この話はよくわからない。 | 鬼 |
幽霊にからかわれた男 | |
司訓 | 3 | 2020/8/18 | 耳の聞こえない男が狐の力を借りて務めを果たしていたのだが、その狐が去る。その際、隠居を勧めるのだが、男は、俸給が惜しくて止められない。トンチンカンなことが起きる。 【評】科挙の一場面が出てくるが、靴の中に賄賂があるというのは具体的にはよくわからない。 |
人 | 欲ぼけ | |
段氏 | 7 | 2020/8/21 | 段は金持ちだが、40になっても子は無かったが、妻の連の嫉妬が怖く妾も買わず、下女と通じていた。それを妻が知り、むち打ち、別の家に売った。遺産目当ての親戚がまとわりつくので、60になってやっと二人の妾を買う。それぞれ子供を産むが早死する。やがて段は死に、親戚は遺産を殆ど奪ってしまうが、妻になすすべがなかった。そこに青年が現れ、自分は段の息子だと名乗る。・・・・ 【評】妾を持つ意味がよくわかる。 |
人 | 嫉妬の応報 | |
狐女 | 6 | 2020/8/18 | 男の所に夜美女がやって来て、それが狐だと分かっていたが美人なので、受け入れていたが、身体が衰弱してきたので、父母の知るところになる。父母に白状すると、添い寝を付けることなったが、効き目がなかった。だた、父親が添い寝したときだけ効果があった。狐に理由を聞くと、「他の人間は平気だが、父親の前では、倫理に悖る」と。そこで父親が添い寝し続けると狐は去った。その後動乱があって、皆山に逃げた。そこで狐に再会する。 【評】一方的に狐の好意を受ける男とはどんな男か? |
狐 | 化粧箱の大邸宅 | |
王大 | 8 | 2020/8/21 | 博徒の李の所に、王と馮がやって来る。二人はあの世の人になっていることを忘れていた。周を誘って博打をしようといういうことになったのだが、李も周も急なことなので元金がないというと、黄八に借りようということにる。金を借りて帰る途中、趙の妻をいじめる。・・・ 【評】話は長くなるが、この世とあの世の境がはっきりしなくて分かりにくい。 |
鬼 | 陰罰陽報 | |
男妾 | 4 | 2020/8/18 | ある男が妾を買おうと探していたら、老婆が14,5の美少女をお持っていたので大金を出して買った。ところが男であった。老婆を追ったがもう姿がなかった。ところが友人が同じ値で買ってくれた。 【評】男であることが分かる所の描写は、白話注解本(第2巻参照)からは削られている。 |
人 | 好き好き | |
汪可受 | 7 | 2020/8/19 | 汪可受は3世のことを記憶していた。前前世;僧院で勉強していた時、僧の持っている馬がラバを生んだ。かわいいので 汪はそれを奪った。死後、ラバに変えられる。前世、農家に生まれるが、生まれながらに口をきくので不祥だと、殺される。今世: 汪家に生まれる。今度は出来るだけ口おきかないことにしていたら唖と思われる。 【評】3世を覚えているだけに、出世する。 |
人 | 神童の秘密 | |
王十 | 7 | 2020/8/21 |
塩の闇売りをしている王が二人の男に捕まった。塩商人の手下と思ったが鬼卒だった。閻魔が新しくやって来るので、三途の川の河浚えをする人足を探しに来たのだという。その人足にはコソ泥、贋金作り、塩闇屋を使うことになってる。閻魔が調べると、男のような小商売は塩闇屋ではないという言って、鬼卒は叱られられ、彼はど河浚いの監督をやらされる。 この世ではどうなっていたか・・・・ 知事と塩商人の話が追加されている。 【評】塩の売買には強い統制がかかっていたことが分かる。 |
人 | 冥土の河浚え | |
二班 | 1 | 2020/8/21 | 殷は鍼灸をよくする。動乱にあって山に逃げ込んだところ、二人の男に会い、彼らも避難しているとして、石窟に案内する。そこには、老婆が鼻の下、口の周りに瘤が出来て苦しんでいる。殷はそれを治す。3年後、殷は山で狼に襲われるという災難に遭う。そこへ虎が現れて狼を追い払う。 【評】動物の報恩 |
物 | 石室にいた三人 | |
募縁 | 7 | 2020/8/24 | 青蛙神は巫女の口を介して話す。金持ちだが吝嗇な男であった。お宮の修理に皆が寄付をしているのだが、周はしなかった。巫女は未だ納めていない人は寄付額を書かされる。周は金百を書かされる。妻に話すと巫女の詐欺だという。周は払わないでいると、蛙が家にやって来る。その様子が詳しい。 【評】青蛙神については巻4もある。民間信仰の力。 |
物 | 蛙の神の居催促 | |
馮木匠 | 7 | 2020/8/24 | 役所の改築工事に来ていた大工の馮の所に、夜な夜な女が訪れるようになる。工事が終わっても女はついてくるが、家の者には見えないので人間でないことが分かった。憑物降ろしをするが効き目がなかった。 【評】女の去り際がすっきりしている。 |
物 | 縁の定数(さだめ) | |
けい仙 | 5 | 2020/8/19 | 仙人を呼び込む術を知ってる男は友達と風流な遊びを行っていた。友達が「羊脂白玉天」の句を得たので、仙人に対句を頼むと「問城南老董」とつけた。皆は仙人は対句が出来ないと思った。所が、ある日城南へ行くことがあった。土地が赤かったので、豚飼いの老人に聞くと・・・・ 【評】この土地は「猪血紅泥地」という。 |
神 | 神仙の洒落 | |
泥書生 | 5 | 2020/8/19 | 陳代は愚鈍な男だが、その妻は美人で、夫に不満があったが貞節を保っていた。ところが妻の所に毎夜書生が訪れるようになり、妻は衰弱する。母が問ただすので訳を話すとそれは幽霊だと言って厄払いをするが効き目がない。陳代が寝室に隠れて、窺った。書生がやって来た。・・・ 【評】幽霊の正体が珍しい。 |
物 | 不平と妖怪 | |
蹇償債 ケン |
8 | 2020/8/24 | 太っ腹の李の所に、田舎者の某が何かと無心していた。ある時、某はまとまった元手を借りたのだが、1年経っても返さなかった。李の夢に某が現れて、借りた元手を返すという。同じころ、驢馬が立派な駒を生んだ。李はこれはきっと某に違いないと、某という名を付けて可愛がる。・・・・・・ 【評】李も某もいい漢である。 |
恩義に報いた驢馬 | ||
驅怪 | 8 | 2020/8/24 | まじないの術をで評判になったところに、ある日、ある大家から丁重な向けがやって来て、行ってみると、主人は酒肴勧めるだけでなかなか要件を言わない。やがて夜になる。そこに怪物が現れる。 【評】どこかとぼけた話。 |
物 | 妖怪退治 | |
秦生 | 3 | 2020/8/24 | 男が薬酒を作るの誤って毒を入れてしまった。捨てるが惜しく長年保存していた。ある夜の酒を飲みたくなったが、他になく、その毒酒のふたを開けると良いにおいがする。こらえきれず飲もうとすると妻が制しするのを「呑みたいと思いながら死ぬより、飲んで死ぬ方はよい」と一杯飲んだところで妻が瓶をこわしてします。床にこぼれた酒をすすって、やがて死ぬ。 【評】偶然、愉快な結末が待っている。 |
狐 | 酒ほしさ | |
局詐 | 2 | 2020/7/22 | 御史の家人が街で、立派な身なりと男と親しくなる。内親王の家人で王と名乗る。出世の世話をするという。実際に内親王とと引き合わせてくれるのだが・・・ 【評】誰かの縁故がないと出世しないという話はよくある話。詐欺とはこんなもの。 |
人 | 詐欺 | |
局詐 | 2 | 2020/7/24 | 武人が出世のツテを求めて、金を持って都にやって来る。皇帝に側近の義弟を持つ男が近づいてきて、斡旋するという。礼金は成功払いということで証文を書かされる。実際に皇帝に会わせてくれて。ある地方の将軍職を得ることになり、金も払うのだが・・・・ 【評】これも詐欺。大盗は武器を用いないという諺がある。 |
人 | 詐欺 | |
局詐 | 2 | 2020/7/24 | 李は工人の掘り当てた古い琴を入手し、低れうぃすると絶品であった。秘蔵して人にも隠していた。ある日副知事がやってきて、やがて、お互いの交流が始まる。お互いに琴を弾き合う仲となる。3年後、秘蔵の琴を出すことになる。 【評】道士の行う詐欺は悠長なものである。 |
人 | 詐欺 | |
曹操塚 | 5 | 2020/7/21 | 河の淵で泳いだ人間が、鋭利の刃物で切られて死ぬという事故が続いた。知事が堰き止め、調べていると、機械仕掛けの刃物があり、その奥に墓があった。 【評】4行。曹操の墓は疑塚が72あるという。 |
人 | 智の愚 | |
罵鴨 | 8? | 2020/7/21 | 隣の鴨を盗んで食ったら、夜痒くなり、朝見ると毛が生えて、痛んだ。治す方法はなかった。夢に、取られて者から罵られば治ると。隣の爺さんはなかなかの人物で、取られたことは意に介していない。 【評】4行、ほほえましい笑話。 |
人 | 罵りの効用 | |
人妖 | 7 | 2020/8/25 | 馬と妻の田は自由奔放な人で仲が良かった。隣に、来た女が姑にいじめられて逃げてきたという女が来て、按摩ができるとという。妻は気に留めなかったが、馬がそっと見ると18,9のいい女だった。妻と語らって呼びにやったが、男が居るとだめだという。妻は夫は親戚の家に行っていることして、身代わり作戦をとることにした。即ち、女が来て術を始める前に入れ替わろうというのである。女が揉む手を下の方に降ろしていくと馬の一物に触れる。飛び上り逃げようとするのを、女の股に触れると、擂り粉木のような立派なものがぶら下がっていた。・・・・ 【評】女装して良家へ入り子女を犯すという事件が実際にあり、それを下敷きにしている。リアルで劇的な運びがうまい。白話注本には肝心の所が削除されている。 |
人 | 美貌の女按摩 | |
韋公子 | 1 | 2020/8/25 |
良家の出の 韋公子 は好色で、下女には手を付けるし、色街で遊びまわっていた。叔父が偉い官吏で、退職して帰って来て、その行状を知り、厳しくしつけて行く。都に行くときも従僕に監視させる。頭が良くやがて進士となりようやく制約がゆるむと、遊びが始まる。西安では、役者の妻、蘇州では芸者と遊ぶが、いずれも肉親であることが分かる。免官となって故郷に帰るが、妻と妾5,6人に子は出来ない。叔父の孫の子を貰うことになるのだが・・・ 【評】好色男の数奇な短い生涯。白話注解本には省略がある。 |
人 | 畜生道 | |
杜小雷 | 1 | 2020/8/19 | 杜は貧しいが、親孝行で、眼の見えない母親にはいつも美味しいものを食べさせていた。ある日肉を買ってきて妻に肉うどん?を作って母に食べさせるよ命じた。妻はその中に虫を入れて出した。母は匂いが悪いので食べず、帰ってきた息子に見せた。杜は妻を打とうと思ったが母に聞こえるのを怖れて、夜まで待った。妻が寝室にやって来た・・・・ 【評】杜の怒りはよくわかる。その想念が形をとる。 |
人 | 豚になった人妻 | |
古瓶 | 6 | 2020/8/20 | ある村で井戸が枯れたので、甲、乙二人が入って浚えた。髑髏が出てきて、その一つは金貨を含んでいた。ほかに銅器と甕下出てきた。甲乙は井戸から出ると死んだが、乙は生き返って、自分は漢時代の王莽の変に遭った者だ・・・という。銅器と甕は二人に進士に買われ、不思議な働きをする。 【評】ただ不思議! |
物 | 天気予報をする瓶子 | |
秦檜 | 4 | 2020/8/20 | ある宰相の家で豚を殺したら、肉の中から秦檜七世の身という字が出てきた。臭くて食えず、犬も食べなかった。 【評】秦檜が売国奴的人物であるなど歴史を知らないと 話が分からない。 |
物 | 犬も食わない豚の肉 | |
目次トップ | Alice in Tokyo |