アイルランドの細道

ダブリン3

10時前、宿を出て、オコーナー通りを少し登り気味に歩き、ライターズ・ミュジアムへ向かった。アイルランドの作家、スイフト、ワイルド、ショー、ジョイス、イエイツ・・・の原稿や初版などが展示されている。私の視力では展示の文字が読めない。拡大鏡が欲しいところ。シングの「アラン島」も展示されていた。日本アイルランド協会寄贈のラフカディオ・ハーンの写真が多くの肖像画に挟まって飾ってあった。建物も19世紀半ばのもので趣がある。英語の細かな説明があり、それを日本語に翻訳した冊子を貸してくれた。
昼は日本食が食べたくて、オコーナー通りの中ほどにある旅行案内所へ寄って場所を聞いたら、端末で2軒探し出して、地図の上にマークしてくれた。対応が親切で気持ちが良い。リフィー川を渡り、歩いて20分ほどのところに「やまもり」という日本レストランを見つけた。ゴールウエイのとは違って、まずまずの店構えで、数人の日本の娘さんが、浴衣姿に襷をして、テキパキと対応していた。麺類はラーメンしかなく、ヤマモリ・ラーメンというのとキリン一番絞りを頼んだ。ラーメンはアイルランド仕様のボリュームがあって驚いたが、私はラーメン党ではないので、特に感動するほどではなかった。結構はやっていて、大きな店がビジネスマン風の人で満席に近かった。その店の近くに、ダブリン城があるので行ってみた。面白そうなのだが、時間単位で、ガイドが案内する方式で、次の案内までに1時間以上あるので、場所を移動することにした。1時間ぐらいぼんやり待てばいいのに、それが出来ない都会人に戻っている自分に気付いた。

足は博物館に向かった。昨日の美術館の裏側にあり、規模も同様に大きかった。勿論無料。石器時代から始まり、青銅器時代、バイキングの時代、中世と順に展示されている。ゆっくり見れば一日は過ごせる。説明の文字がよく読めないので流すように見て出ると隣の図書館でイエイツ展をやっているので覗いた。想像以上の立派な展示に驚いてしまった。これも無料、立派なパンフレットも無料。イエイツの本棚の実物大の拡大写真で蔵書が見えるようなコーナーもあって、よく見たいのだが、そこにある椅子で娘さんたちが休んでいてよく見ることが出来なかった。私をアイルランドにひきつけた一人がイエイツで、この展示はもう一度ゆっくりと見ようと思った。イエイツが神秘主義に傾いた頃の資料や仮面なども展示されていた。
トリニティー・カレッジで土産にティーシャツを買って、6時には宿に帰っていた。夕食はサンドイッチとワインで済ませたが、どういうわけか、アイルランドに来てから酔うということがなくなった。なぜだか分からない。
珍しくテレビをつけたら、NHK Worldというチャンネルが出て、電機メーカーや自動車メーカーの業績を報じたあと、祇園祭りの映像を映し出していた。
私の頭にはバスや電車に乗ると言う発想はなく、この日も結構歩いたので疲れが出てきた。
(7月30日のこと)

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