アイルランドの細道  

ドネゴ−ル城を見てさらに10キロ

B&Bのシールさんの写真を撮らせてもらい、サインを貰って、8時45分、宿を出発した。朝方雨が降っていたが出る頃は止んでいた。昨日、車で往復した道を歩くのだが、予想した通り、長く、広い緩やかな下り道をドネゴールへと向かう。人家は殆どない。

3時間歩いてやっとドネゴールの中心へ着く。まずパブに飛び込み、ギネスで祝杯を挙げる。名前から想像していたよりはるかに街は小さい。5世紀ケルト人の開いた人口2000人余りのきれいな町だ。まずドネゴール城を見学する。シニア料金3ユーロを受付で払うと、どこから来たかと聞かれて、日本からだ言うと、バインダーに綴じた日本語のパンレットを貸してくれる。受付の前に荷物を置かせてもらって久々の観光気分である。15世紀に建てられ、オドンネル家の居城。小規模だが、お城というものがよく分かる。観光客も数人で静かさが漂っていた。お城の庭から、向かいの教会の尖塔見えた。


ギャップ・ロッジの
シールさん

ドネゴールの一角



ドネゴール城の
中庭

ドネゴール城
内部

ドネゴール城の
向かいの教会

海岸線が深く切り込んでいる

何故撮ったか分らない写真

ヒギンズ夫人


スープとサンドイッチの昼食を済まして、旅行案内所iへ行き、今夜の宿の手配をした。もうあまり歩きたくないのだが、結局、10キロ先のB&Bが取れた。2時、そこを出て、いやになるほど歩いて、Murvagh Links Houseという宿にたどり着いたのは5時半であった。

50ユーロは少し高いと思ったが、敷地も広く、なかなか堂々した家である。(興味があれば次をご覧ください。http://www.murvaghlinkshouse.com/)問題は夕食。数キロ離れたところにレストランがあるので、普通の客はそこで食事を取るとのこと。私はもう動きたくない。ひもじい思いすればいいのだから今日は夕食を抜くと独り言のようにつぶやくと女主人は、サンドイッチでも作ってあげようと言ってくれた。洗濯をし、シャワーを浴び、さっぱりしたところで、食堂へ降りていくと、チーズのサンドイッチと先ほど裏庭で摘んだいう野菜のサラダが用意されていた。見事な盛り付けで感動してしまった。紅茶、りんご、いずれもおいしく、豊かな夕食となった。

歩き始めてもう5日になる。体のことを少し書くと、日本を出る時あまり快調ではなく、咳が時々出ていたが、今はほとんどなくなった。12キロ以上の荷物はこたえ、3日くらいは節々が本当に痛かった。重さにはなかなか馴れない。重い荷物を背負う瞬間にギックリ腰になることを最も恐れている。問題は足で、3日目に左足に豆二つ、右親指が紫色になり、ひょっとしたら爪が剥がれるかもしれない。いずれにしろだましだまし馴らして行くしか手がない。
出る時に長男のお嫁さんがくれた小林製薬のたび、「歩くたすけ」は大変調子がいい。包帯の技術を使って編み上げた特殊なソックスで、これを履くと疲れない。これに彼女は服部天神宮の「足の守護」というお守りを付けてくれたが、家内が持たせてくれた目黒不動の「御守」も共に肌身につけて歩いているので、両々相まってご利益も大きいはず。
いずれにしろ、あまり欲を出さずにしばらくは一日20キロ以内に収めておきたいと思う。
広い部屋の、大きく、ふかふかしたダブルベッドに身を横たえる。周りに細紐に干した洗濯物。静かな夜。

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