アリス、アリスに会う  123-124

123 アリス;私の理解を深めようと色々お教えくださってありがとうございます。ただ、私は79でも申し上げましたように、猫さんの卵型のモデルによって「愛のエネルギー」を含め理解したいと思っていました。猫さんがモデルを変えられると(猫さんには同じことなのかもしれませんが)、正直のところ戸惑いました。
しかし、考えてみると、卵型の中で考えなければならないのは私自身だと気付き、ちょっと長くなりますが、わたしの考えをSF風にスケッチしてみますから、猫さんのお考えと違ったらご指摘いただけないでしょうか。

【あるSFのためのエスキース】
わたし:今、Nモデルの中にいる。ピンクの空間の中に卵形の透明なカプセルである。こんな形だ。無重力、無刺激のタンクにいるようだ。卵形をしている様だが、時間も空間もない感じだ。わたしは何者だろう?知らないと何だか落ち着かない。ひとつ光点のようなものを置いて探ってみよう。図A

おれ:目が開いて光が見え、音が聞こえるようになり、におい、味も分り、・・・そんなことをしている「おれ」に気付いた。おれって、いつからここにいるんだろうか?大昔からいるようでもあり、ついさっき現れたようにも思えるが、生まれて70年経つという。学校へ行き、就職し、結婚し、子供が出来、子供が学校へ行き、結婚し、おれは退職し、やがてまもなく死ぬだろう。
その間、色々あったな!友達と遊び、勉強をし、恋、失意、得意、仕事、家族・・・山に登ってみたり、絵を描いてみたり、本を読んだり・・・何のためにこんなことをしてきたかといえば、DNAのなせる業ともいえるが、結局はおれが何者か知りたくて、いろんなことをやったように思う。
他の人たちもそのようだ。何かを追っているようで、実は自分を探しているのだ。
自分を確認し、もっと素敵な自分に出会わないかと、何かをし、何かを見、何かを味わい・・・そして死ぬ。

わたし(独白)色んな目にあうのは当然だ。自分がどんなものか知りたくてお前という光点を置いたんだから。お前は色んなものを映し出すだろ。それはわたしなのだ。お前には知りたい欲望を植え付け、先まで照らせないように作ったから、お前は、あちこち、さ迷わねばならないのだ。

おれ:
おれはゲームのキャラクターだ。少しでもいい目をしたい。良いポジションを得たい。そのために勉強もし、努力もしたつもりだ。このゲームに勝ち負けがあるかどうか知らないが、いいあがり方をしたいものだ。

わたし(独白):お前が、あちこち動きまわれるようにゲームを組み込んでおいたのさ。それで少しでも自分のことが分りはしないかと思ってね。お前のしているゲームはつまるところ辻褄が合わないようにしてあるのさ。おれが入ったNモデルがそう仕組まれているのだ。だからお前の映し出すゲームは面白いだろ。わたしはお前とそれを楽しんでいるのだよ。
おれ:このゲームどこかおかしいんじゃないかな?でたらめに出来ていたとしたら、いいことも悪いことも半々に出るはずなのに、悪い方が多い気がする。
わたし:良い方が圧倒的に多いのに気付いていないね。例えば、お前、立とうと思えば立てるだろ。こんなありがたいことはまたとないんだよ。精一杯動きまってご覧。世界が見えるから。お前の気に入らないものが見えるのも、わたしがそのように光を当てているからだ。
おれ:このスクリーンはどうやらおれの影を映しているよいようだ。おれが動けば影も動く。不如意があなたの所為だと分れば、このゲームは上手くやれるのではないか?
わたし:そこのところをN博士に少し前からお聞きしているところだ。
おれ;「アリス、アリスに会う」という対話のことか?歯が痛い。お金がない。恋人に振られた。こんなことに対してどうすればよいか、ですね?あなたは分ったのですか
わたし:少しは分ったと思う。お前が不如意を感じるのは、お前の位置が悪いからだよ。。お前もそろそろわたしのところに帰っておいで。お前が消えないと永遠に不如意なんて消えないんだよ。
おれ;おれが消えるなんて。もう、70年も「おれ」をやっているんだ。これを捨てるぐらいなら死んだ方がましだ。
わたし:それなら、死ね。所詮、お前はわたしの作った光点なのだ。わたしが不要になれば消すだけだ。
おれ;待ってくれ。それではまるで『鏡の国のアリス』の赤の王様の夢に現れるアりスではないか?
外にも沢山いるぞ。それもお前が映し出したのか?
わたし;それが分ればいい。それなら死ね!
おれ;そんなことおれはやらないよ。でも、「おれ」ある限り駄目な気がする。でも、どうしてお前の所に帰るのだ。
わたし:お前は私が与えた意思によって私を離れたのだ。その力で私のところへ帰れ。

愛のエネルギーを逆噴射したら、直ぐわたしのところへ帰れるよ。お前は私の分け与えた意思なのだ。そうしろ。
おれ;愛のエネルギーなんておれには分らん。
わたし;位置のエネルギーて分るかな?学校で習ったろう。わたしの中心に近いとところが愛のエネルギーが高いのさ。お前は今何が見える。図 C
おれ:色んな人、物、限りなく沢山のものだ。これみんなお前の作り出したものか?
わたし:素晴らし出来だろ。第一おまえ自身がわたしの生み出した傑作なのさ。それらを愛するのだ。
おれ:愛するといって、どうするんだ?
わたし:それを自分だと思うのだ。自分だと思って抱きしめなさい。お母さんが子供を抱くように。
おれ:こうするのですか?自分だと思うんですね。
わたし:そうだ。それが愛のエネルギーを注ぐことなのだ。お前は段々わたしに近づいているよ。何が見える。
おれ:おや、景色が変わってきた。どうやら一部だけしか見ていなかったような。ああ、すべてが美しく見える。奇なるかな!奇なるかな!  図 D

 

 

わし:そろそろ出ておいで。
わたし;これは誰の声だろ。
わし;わしだよ。わし。
わたし:まさか振り込め詐欺?
わし;わしだよ。わし。
わたし:あっ!神様
わし;そろそろ移る時間だ。出ておいで!
わたし:まるで夢のようだったな。どうしてこんな夢を見たのだろう。
わし:色んな目にあうのは当然だ。自分がどんなものか知りたくてお前という光点を置いたんだから。お前は色んなものを映し出すだろ。それはわたしなのだ。お前には知りたい欲望を植え付け、先まで照らせないように作ったから、お前は、未だ、さ迷わねばならないのだ。
わたし:どうすればそちらに行けるのですか。
わし:お前は私が与えた意思によって私を離れたのだ。その力で私のところへ帰れ。
愛のエネルギーを逆噴射したら、直ぐわたしのところへ帰れるよ。
実はおれはお前の中にいるのだが、それだと分りにくかろうから、Gに向かっておいで。
わたし:わあ! 強い光だ。


おれ:エゴ
わたし;霊
わし:


124 猫 :
 アリスさんのお考えがよくわかるたいへん興味あるSFですが、私の考えている卵型モデルとはいくつかの点で違っているようです。まず、アリスさんのモデルと私のモデルの違いを明らかにするところから始めましょう。
 
 両方のモデルの違いを図7に表してみました。Fig7a がアリスさんのモデルです。Fig7b が私のモデルです。アリスさんは、私が最初に描いた図1(対話80)の卵型の中のSC(潜在意識)を霊(魂)と解釈されています。これに対して、私の考えているモデルは、C(顕在意識)とSC(潜在意識)をあわせてエゴになります。SCはエゴ自身の意識でありながら、エゴの顕在意識部分が気づいていないものなのです。この点が、アリスさんの考えと私の考えのいちばん大きな違いだと思います。
 私のモデルでは、神は図の外に出てしまいました。神を中に入れてもいいのですが、入れるとすると、卵からかなり離れた位置に入れます。私の考えでは、神は、エゴも霊(魂)も含めたすべの存在を支えるベースのようなものです。

一度にたくさん書くとまた混乱しますので、一つずつ確認しながら進めたいと思います。とりあえず、アリスさんのモデルと私のモデルの違いについてこのように説明しましたが、何かご質問がおありでしょうか。

なお、念のために付け加えておきますが、私はどちらのモデルがいいとか正しいとか言うつもりはありません。ただ、私の考えているモデルを正確に理解していただけるように説明しているだけです。

07/6/15

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