この不思議なピンクの湖を見たのは、西オーストラリアの都市パースから小さなセスナで北に2時間半、、モンキーマイヤーという所まで飛んだときのことでした。(地図)
   普通の交通手段はバスとかレンタカーですが、何しろ時間がない日本人なので、片道9時間というドライブはとんでもないことだったのです。馬鹿げていることは本当は百も承知だったのですが、往復5時間の小さなセスナのフライトで、モンキーマイヤーで野生のイルカに会い、シェルビーチ、できればハメリンプール (地球上で最古の生物である藻類が広範囲で生息している) にも寄りたいなどと考えました。
  実を言うと私はひどい高所恐怖症で、3階建てのベランダから下を見るのもゾッとするくらいなのですが、もう、これは飛ぶしかないと覚悟を決めていました。
  でも、一旦空に舞い上がってみると、大型の飛行機よりはずっと低い高度を飛ぶので眼下がとてもはっきり見えて・・・考えてみれば、よく見えてしまうということは高さを意識してしまうのですが、美しさに思わず怖さも忘れて見とれていました。 
 オーストラリアの大地は一面茶褐色の平らな地面で、時々樹木のかたまりが点在して、その間をひたすら真っ直ぐに道が伸びていました。でも、時々は沼地のようなところもあり、水辺と緑がパッチワークのように美しく配置されていて、ピョンと飛び降りたら着地できそうなくらい何もかもが近くに見えました。そうして、しばらく行くうちにパイロットがこの湖を案内してくれたのです。
 それはこの写真のとおりピンク、しかもけっこう濃いショッキングピンクのような色でした。彼は「レッド・レイク」と呼んでいましたが、私は「ピンク・レイク」だと思います。どうしてこんな色をしているのでしょう。ガイドブックを探してもどこにも見当たりません。どうも地図にも載っていない湖のようです。パイロット曰く、「水に含まれるミネラルのせいだろう」
 でも、鉄分などだったらもっと赤茶けた色になるはずなのに、本当にピンクなのですからとても不思議。ピンクの湖は1つだけではなくそのあたりに2つぐらいはあったように記憶しています。ただ、形が丸みを帯びていないで割合直線的な感じだし、それほど深そうにも見えませんので、もしかして人工的なものだったのかもしれません。
 ともかく、どなたかもう1度見つけて、私は一体どのあたりでこのピンクの湖を見つけて、またどうしてこんな色をしているのかわかったら教えてください。
 


   ピンクの湖も過ぎてしばらく海岸沿いを飛んでいくと、海の波頭までもがはっきり見えます。インド洋はとても美しく、陸地から沖にいくに従って、海の深さによって様々に色を変化させています。時々、砕ける波が白いラインになっています。
 シャークベイが目的地ですが、ここは岬の入り江になっているので、半島はちょうど能登半島のような形をしていて複雑に入り組んでいます。それを見た時、私はほんとうに余りの美しさに感動しました。息をのむ美しさと言ったらよいのでしょうか。複雑に入り組んでグルグルとカーブしている海岸線は、空の上から見るとまるで宝石の「メノウ」の切り口のようでした。陸地は上空から見ると何故か私には薄紫がかって見え、水辺との境目は波のせいで白い線が入り、海の浅いところは明るいターコイズブルー、ブルーがかったエメラルドグリーン、さらに深くなって濃い青色へと変化しています。それが複雑な地形のためにグルグルと回って色のラインを描いているのです。
 進行方向に広がる「メノウ」に向かってゆっくりと飛行機が飛んでいく間、時間が過ぎるのも忘れてしまうくらいでした。

    この旅行記の前後のこと、シドニーの町やおいしいレストランの記事などがNawo
さんのホームページの中の
「旅の思い出 GOOD FIND(パース〜シドニー編)」に出ています。 美しい写真と共に楽しんでください。


      Nawoさんのホームページは(左のロゴをクリックください。)

      陶芸,料理、童話、旅行記,・アニメーションなど楽しく、バラエティーに富んだHPです。是非ご覧ください。         戻る

 Alice in Tokyo へ

モンキーマイヤーのビーチ