論語を読む。               貧士の本棚へ

息子たちに。
もし論語を読むのなら、こんな読み方をして欲しいと思います。
まず、和本を手に入れます。
和本は朱熹の注で後藤点と書いてあるのを選びます。明治の版なら3千円前後、高くとも1万円しません。和本の大きな文字の本文を読みます。そして分からなければ、注釈書を見るのですが、注釈書を一冊選ぶとすれば、吉川幸次郎(朝日新聞社)がよいと思います。学問をする喜びも教えてくれます。小さな字で朱熹の注が書いてありますが、初回は読み飛ばしてかまいません。
面白くなれば、いろんな注釈書が欲しくなりますが、文庫版も沢山あり、読み比べると、一段と興味が深まります。
今はちょっと手に入りにくいかも知れませんが下村湖人や穂積重遠の口語訳は味わいがあります。特に後者は第二次大戦敗戦直後、家族へ行った講義です。
何度か読んでいると朱熹の注も少しずつ分かります。
心を揺さぶられるような体験がないと本を読んだことになりませんが、次の本には深い感銘を受けました。
  平沢興「論語を楽しむ」
  安岡正篤「朝の論語」
  幸田露伴「論語  悦楽忠恕」
  宮崎市定「論語の新研究」
これらが読めたら、少しレベルが上がったと思ってください。
何しろ、論語は、古典中の古典ですから、論語を読んでないと話にならないのですよ。いくら本を読んでもこれを読んでないと読書家には入りませんよ。