読書メモ帖 
『雪国』の文法的、文体的分析       2010・8・11ー
  『日本語には主語はいらない』金谷武洋 講談社選書メチエ 2002
『日本人の表現力と個性』熊倉千之 岩波新書1990
『注文の多い言語学』千野栄一 大修館 1986  18章
『倫敦巴里』和田誠 話の特修初版1977
   31人のパロディ
『「雪国」は小説か』
   英、仏、露訳を比較
 『文豪なび 川端康成』新潮文庫 
『川端康成『雪国』作品論集成(近代文学作品論叢書)』 岩田光子編 1996
  2巻 羽鳥哲哉『「雪国」を読む(その一)』  国境を「くにざかい」と読むか、「こっきょう」と読むか
『江勢物語』清水義範(角川文庫) 「スノー・カントリー」 英訳からの誤訳
『日本人の発想、日本語の表現』森田良行(中公新書)P14
 タ
 『日本語文法の諸相』益岡隆志 くろしお出版  叙想的テンスについて
『日本語のシンタクスと意味 U』寺村秀夫  叙想的テンス  付録 タの意味と 機能
 翻訳論  『川端康成の人間と芸術』川端文学研究会 教育出版センター1971吉田精一「「雪国」の翻訳」
 
雪国の補注 
 蝶々蜻蛉やきりきりす  葉子の小豆を叩きながら歌う「蝶々蜻蛉やきりぎりす 山でさえずる  松虫鈴虫轡虫」は江戸小唄「猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが 猫が、猫が下駄はいて 杖ついて 絞りの浴衣で来るもんか」の替え歌。  木村菊太郎『江戸小唄』演劇出版社(平成15年刊)p302
 いい加減な人  駒子の島村評:  62 99
 いい子、いい女 島村の駒子評:145,146 
 
話し手の視点  「ハ」と「ガ」の問題   2010・2・15
   『日本人の表現力と個性』熊倉千之 岩波新書1990 
  この本は面白いが、掘り下げが今ひとつ。紙幅の制約か?
『注文の多い言語学』千野栄一 大修館 1986  7章
 「ハ」と「ガ」はチェコでは戦前から研究がなされている。チェコ言語学者の文の発話の視点と形式的な分析との対比。日本の学者の説。音韻変化の視点。 出色の一章であった。
寺村秀夫『日本語のシンタクスと意味』では、文をコトとテンス、ムードに分けるが、このコトの中に、発話の視点が入り込んでいる可能性が大いにある。